タナカの映画語録「それでも夜は明ける」
映画の感想を言う前にまずは、タイトルについて言及します。
なんて素敵な題名だと思いませんか。
この邦題をつけた人を崇め奉りたい。
原題は「12 years of slave」。
「12年間の奴隷」こうやって聞くと原題はこれっぽっちも希望がなさそうです。でも邦題はこんなに素敵に希望をもたらしてくれる。
テーマはリンカーンが大統領になる前の黒人と白人で身分差別があった時代。
リンカーンは奴隷解放宣言を放ったことで有名です。でもその前はすべての人が、白人と黒人は天地の差くらい違ってると思っていて、白人は黒人に何をしても良いと言う時代です。
ムチで打ったっていい。暴力や性のはけ口にしたっていい。だって彼らは所有物だから。お金で買ったから誰にも文句は言えない。
悲しからず、差別は近代まで続きました。アパルトヘイト、アメリカの公民権運動。たくさんの人が立ち上がり、多くの命が失われました。たとえ、殺されても自由が欲しいのか、と問う人がいます。
劇中で主人公ソロモンは
「I survive. I want to meet my family. I want get freedom. 」
生きたい。家族に会いたい。自由が欲しいんだ。
そこに魂の叫びを感じました。
作中ではブラピ演じる黒人白人平等主義者がこう答えます。
「I know. Freedom is everything. 」
自由こそ全てなんだ。
黒人には人権がなかった時代。自由なんてない時代。
今はどんな時代でしょうか。
アメリカでは未だに黒人vs白人の構図があります。
そして日本でも反中、反韓があります。
ただ、肌の色が違う。
喋る言語が違う。
私とあなたは違うところから来ているからあなたを差別していいわけじゃない。
一人一人の人権をもっと尊重できる世の中になれるますように。
タナカの映画語録おしまい。